腸内環境と健康との関係について研究が進み、肥満や病気などとの関りが明らかになってきています。
中でも注目されているのが「短鎖脂肪酸」です。
雑誌やテレビなどのメディアで取り上げられ、よく耳にするようになりました。
ではこの「短鎖脂肪酸」は何が凄いのか?その理由をご紹介します。
短鎖脂肪酸とは?
人は食べ物から栄養を吸収します。その役割を果たす器官が胃や腸などです。
炭水化物には人の消化酵素で消化できるものと、食物繊維やオリゴ糖など簡単に消化できないもの(難消化性炭水化物)があります。
腸内細菌はこの難消化性炭水化物をエサにするなどして、分解し消化吸収のの手助けをしてくれます。
この難消化性炭水化物を細菌が分解することで作られるのが、短鎖脂肪酸です。
脂肪酸のうち鎖状につながる炭素が6個以下のものを短鎖脂肪酸と呼ばれています。
短鎖脂肪酸のパワー
短鎖脂肪酸は大腸のエネルギー源となり、腸の活動を促進します。
また、小腸や大腸の上皮細胞を増殖をサポートすることも明らかになっています。
特に短鎖脂肪酸のひとつである「酪酸」は上皮細胞の増殖作用がもっとも強いと言われています。
例えば腸内細菌を持たないねずみや、食物繊維を含まないエサで育てたねずみは、この細胞を作るスピードが遅くなることが実験で明らかになっています。
通常のねずみは、食物繊維などの難消化性炭水化物を腸内細菌が分解して短鎖脂肪酸を作り出すことで、腸管上皮の新陳代謝をよくしています。
つまり短鎖脂肪酸は腸が正常に働くために欠かすことのできない成分なんです。
短鎖脂肪酸が不足すると
短鎖脂肪酸が不足することで、大腸のバリア機能が低下し、感染しやすくなったり、病気が治りにくくなると言われています。
探査脂肪酸は便がスムーズの腸内を移動するための粘膜の分泌も促進します。
この粘膜のおかげで便が直接腸に触れることもないので、便に含まれる細菌が腸から吸収されてしまうこともありません。
なので、短鎖脂肪酸が不足すると、便が粘膜でコーティングされなくなり、軟便や下痢便になったり、腸から病原菌が入り込んで病気にかかりやすくなってしまうのです。
短鎖脂肪酸を効率よく増やそう
短鎖脂肪酸は難消化性炭水化物を腸内細菌が分解することで作れれるため、食物繊維の含まれた食事をするようにしましょう。
果物や海藻などの水溶性食物繊維と、穀類や豆類に多い非水溶性食物繊維をバランスよくとりましょう。
さらに乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌も短鎖脂肪酸を増やしてくれるので、これらの生きた菌も積極的に摂りましょう。(プロバイオティクス)